どの不動産会社に問い合わせたらいいの?
いまから三月末まで、
世間では賃貸のお部屋探しをされる方がたくさんおられます。
これを読んでいるあなたもそのお一人なのかも知れませんね。
そろそろ「SUUMO」や「HOMES」などの、
いわゆる「不動産ポータルサイト」で物件検索を始めたのではないですか?
そうすると不思議なことに、
一見して同じお部屋だと思われる物件情報が
いくつかの会社から掲載されているのを見るはずです。
「同じ物件でしょ?」
というあなたの想像は当たっています。
ポータルサイトでは、
同じ物件について複数の会社が募集広告を掲載しています。
あなたがその物件(お部屋)が気になったとします。
さて、
あなたはいくつかある不動産会社のなかから
どうやって問い合わせ先を選びますか?
元付け会社、管理会社を探す
あなたが気になった物件を掲載している
いくつかある会社の中から
「元付(もとづけ)会社」、
「管理会社」
に問い合わせをすることをオススメします。
賃貸物件、
大家さんから任されている会社は
大抵は一社に絞られています。
そして
その会社は入居者募集だけでなく、
通常の建物管理も任されていることが多いです。
スーモなどに複数掲載されている
各会社の記事をよく読んでみてください。
「弊社管理物件」
といったような表記がされている会社があるはずです。
複数掲載されているすべての会社の記事を読んでも
どこにも「弊社管理物件」というような記載がない場合は、
少し手間がかかりますが全ての会社のホームページを覗いてみてください。
そして
そこであなたが気になった物件を検索してみてください。
そこに
「弊社管理物件」と記載があるかどうか見ましょう。
または全ての会社に
「御社はこの物件の元付会社ですか?」
とメールしてみてください。
それで元付会社・管理会社がわかるはずです。
なぜ元付会社・管理会社を選ぶと良いか。
それは
あなたの希望を大家さんに直接交渉をしてもらえる
からです。
大家さんに直接お願いしてもらえる
元付会社・管理会社は
大家さんと直接取引しています。
なかには何年も長い間お付き合いをされていることも少なくありません。
スーモなどに物件情報を掲載していた、
元付会社ではない他の会社は、
この元付会社から許可を得て
ポータルサイトや自社ホームページに物件情報を掲載しているわけです。
なんでそんなことをするかといいますと、
元付会社1社だけで借りる人を探すよりも、
多くの会社に手伝ってもらったほうが、
借りてくれる人を見つける可能性が高まるからです。
あなたが、
元付会社以外のA社に問い合わせをしたとします。
そうするとあなたから問い合わせを受けたA社は、
必ず元付会社に連絡します。
何故なら、
あなたが気に入った部屋の契約を取りまとめる権限を持っているのが元付会社だからです。
例えば
あなたはお部屋について何か大家さんに何かをお願いしたくなったとします。
「エアコンを新しいものに交換して欲しい」、
「家賃を1000円安くしてもらいませんか?」
などなど。
それを聞いたA社は、
①あなたの希望を元付会社に交渉、
② それを聞いた元付会社が大家さんに相談。
といった①②の手順を踏むことになります。
①と②の間のやりとりが、
うまくいくかどうかは
あなたには分からないですよね。
A社から元付会社にうまく伝わるかどうかの趨勢は、
あなたの手を離れています。
A社からの報告を信じるしか術はありません。
うまく交渉してくれたかどうかは実際のところ霧の中です。
これから繁忙期になってきますと、
どの会社も大忙しです。
A社の交渉力がイマイチだったら、
元付会社に面倒がられて
あなたの希望がうまく処理されない
(面倒くさがられる)ことも、
ないとは限りません。
というか大いにありそうです。
で、あるならば、
あなたが直接元付会社にご自分の希望をお願いできたほうが、
あなた自身で交渉の手ごたえを確認出来て有意義です。
また
元付会社としてもあなたから直接問い合わせをもらったほうが頑張ってくれます。
何故かといいますと、
あなたから仲介手数料をもらえるからです。
この例でいいますと、
契約が成立したときには
A社があなたから仲介手数料を受け取る権利があります。
元付会社は、
あなたの希望を大家さんに交渉して実現させても、
あなたからは報酬をもらえないわけです。
元付会社からしたら、
どうせ大家さんに相談するという作業をするなら、
報酬をもらえる状況のほうが頑張るのが人情ってものです。
逆の立場だったらあなたもそう思いませんか?
元付会社のほうが
大家さんと信頼関係を築いている。
そんな人があなたから報酬をもらえるとなれば、
A社よりも
絶対にあなたの味方になってくれそうですよね。
住んでからもお付き合いする会社
そしてもう一点、
大きなポイントがあります。
あなたがそのお部屋に住み始めてからお付き合いする会社は、
A社ではなくて
元付会社・管理会社、だということです。
お部屋を借りる契約(賃貸契約)が終わったあと、
あなたはA社とはほとんどやり取りすることはなくなります。
生活上の問題などをA社に相談しても
「管理会社に連絡してください」
と言われて終わりでしょう。
元付会社でない不動産会社を介して契約を申し込む場合、
その会社の役割は「賃貸借契約を成立させること」で、
あなたの新生活にはほぼ関わり合いになりません。
それでも契約成立に対する報酬として
あなたはA社に仲介手数料を払うことになります。
あなたにお部屋を紹介したり、
契約を取り持つ業務も
重要な仕事なのでA社に仲介手数料を払うのは当然なことです。
不動産仲介業は成功報酬の業態ですので、
たくさん物件を案内しても
契約の申し込みをもらえないというケースも多いので、
A社のおかげで成約する場合はどうか気持ちよく仲介手数料を払ってあげてください。
しかし
どうせ同じお金を払うなら、
あなたが新しいお部屋に住んだあとも
お付き合いする方に払ったほうが
あなたにとっては
「生き金」
になると思いませんか。
元付会社は、
大家さんからあなたが住む部屋を任されている立場です。
借りる人を探す業務だけでなく、
日々の建物の管理も請け負っていることが多いです。
あなたがそのお部屋に暮らしている間、
たいていの場合、
相談窓口は元付会社(=管理会社)になります。
ですので
お部屋探しの段階から元付会社とお付き合いすれば、
意思疎通も深まるでしょう。
元付会社としても、
自分が行う業務の一番最初から
しっかり報酬が発生するわけですので
自ずと取り組み方も違ってくるはずです。
契約するところから住み始めるところまで、
あなたと元付会社、
お互いが気持ちよく進められると思います。
上記の例のA社のような位置づけの不動産会社にも、
きっと凄腕の営業さんがいます。
その人ならあなたの希望を元付会社や大家さんに交渉して実現してくれるでしょう。
でも
あなたがその凄腕の営業さんに担当してもらえる確率は、
そうそう高くないと思います。
お部屋を借りる分野の凄腕営業パーソンの評判はネットなどにあまり出ていません。
あったとしても、
それを見つけるのもひと苦労。
その労力はほかのことに使った方が時間の有効活用になります。
だから、
問い合わせる不動産会社をどこにしたらいいか迷ったら、
「元付会社」、「管理会社」を探して、
そこに問い合わせしてください!